Home story from Katsuya Kubokawa | Georg Jensen

 

「私が選ぶジョージ ジェンセン」

窪川勝哉/インテリアスタイリスト

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インテリアを格上げする洗練された佇まい

モノトーンのシックな色調でまとめられたアトリエ。人を迎えたり、構想を練ったり。時にはスタイリングの実験場としても機能するこの空間には、インテリアのフィールドで活躍する窪川勝哉さんのプロフェッショナルな視点が詰まっている。そのエントランスに置かれているのが、自身の〈ジョージ ジェンセン〉コレクションのうち、最初に手に入れたと話すVOYAGEシューホーンだ。

「愛用歴は10年以上、人に譲ったりもしているので今使っているものでもう3代目くらいです。玄関という限られたスペースで、何を選ぶかはとても重要。訪ねて来た人がまず目にするから、その家の“核”となる場所なんです。気をつけないと生活感が出過ぎてしまうものが多いなかで、〈ジョージ ジェンセン〉のシューホーンは機能的でありつつオブジェのように美しい。すべてにおいて完璧なバランスで、必ずと言っていいほどみんなが『これいいね』と感動します。家具系のプロダクトを多く作っているマイケル・ヤングが手がけていて、そのデザインが手の届く価格帯で入手できるというのも魅力ですね」

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ひとつひとつが日常のアイテムでありながら、その存在があるだけで空間がドレスアップされる。それは〈ジョージ ジェンセン〉のコレクションに惹かれる大きな理由だと窪川さん

「必要最低限の要素だけで素敵なスタイルを作り上げるのは、実はすごく難しいんです。ファッションがそうで、白Tシャツとデニムだけではなかなか格好よく着こなせないから、みんなちょっとしたアクセサリーを加えたりしますよね。インテリアも同様です。例えばホテルなら、ベッド周りも単純にマットレスと布団だけではなく、カバーの上から足元にフットスローがかけてあったり、飾りのデコラティブピローが置いてあったりする。そういうプラスアルファこそ、物事を素敵に仕上げてくれるんです。部屋という大きな面積のなかには、ソファやダイニングテーブル、ラグマットなどいろいろなアイテムがありますが、そのなかでキラリと煌めくものはほとんどないんです。実用的でありつつ、1点足すことで空間が華やぐ。ちょうどファッションにジュエリーを足すような感覚でインテリアを楽しめるのが、〈ジョージ ジェンセン〉だと思うんです」

 

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部屋のセンターピースになるシンプルな造形

そんな窪川さんが新たにアトリエに迎えたのが、ステンレススティールの光沢にアールデコ調の波状のラインが美しい「ベルナドッテ コレクション」。〈ジョージ ジェンセン〉初期デザイナーの1人、シグヴァルド・ベルナドッテを象徴する、1930年代後半のデザインをモチーフにしたフラワーヴェースとボウルだ。

「このアトリエを作ったときの裏テーマが“アールデコ”で、装飾よりも削ぎ落とした美しさを意識したんです。ちょうどベルナドッテが活躍した時代と重なり、このフラワーヴェースやボウルにもそうした少し男性的なデザイン性を感じます。特にヴェースは、季節と向き合うことができるインテリアでは数少ないアイテム。ファッションならシーズン毎に衣替えをしたりしますが、部屋だとせいぜいラグを夏仕様にするとか程度ですよね。今日みたいにスターチスにグレビレアを合わせたり、その時々の花々を生けて季節を味わうことができる。アセビなどの枝ものやエアプランツなど、長持ちするグリーンを使ってアレンジするのもおすすめです。それに、何も飾らなくても、ダイニングテーブルのセンターピースとして成立するのが、このヴェースとボウルの組み合わせです」

 

 

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もうひとつ、その完成された美に以前から魅了されていたと語るのがパントントレイ。1988年にヴェルナー・パントンが〈ジョージ ジェンセン〉のために制作したアイコニックなデザインで、それこそ何も置かずとも成立する存在感だ。

「家具などで知られるパントンもまた、好きなデザイナーの1人です。不規則な形は光の当たり方でも表情を変えて、何も載せずににそこにあるだけで空間を彩ってくれる。鍵を置いておくトレイとしても適していますし、ナッツとかちょっとしたものを入れるのにもいいですよね。少し窪みがあって水を張ることもできるので、今の季節は水耕栽培で育てた水仙をパントントレイに飾ったりしています」

 

ヴェルナー パントン コレクションを見る

 

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シルバーの輝きを壁面にも取り入れて

壁に3つ整然と並ぶのは、1978年に登場したヘニング・コッペルによるタイムピース。ウォールクロックに、サーモメーター(気温)とハイグロメーター(湿度)。気圧を測れるバロメーターは、パウダールームの照明の横にかけてある。意識しないと直線ばかりになりがちなインテリアのなかで、丸いプロダクトは「空間に動きを与えてくれる」と窪川さん。

「イメージしたのは車の計器類です。僕は無類の車好きなんですが、3連メーターの配列って美しいですよね。それで、以前からこの直径10センチのシリーズを並べて飾ってみたかったんです。3つの並びが心地良かったので気圧計は洗面スペースに。知りたい情報を得られるものが、アクセント的に壁にあるというのはすごく素敵だなと思うんです。よく部屋を表すのに何畳、何平米という言い方をしますが、実際には室内は平面ではなく立体。床に対して壁が4面あるので、その立面をどう演出するかは思いのほか大切なんです。そこに、大きなアクセサリーをドカンとつけるのではなく、上品にさりげなく、キラっとした輝きをプラスする。しかも機能的であると考えると、壁を飾るのにベストな選択肢のひとつであると言えますよね」

 

 

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簡単には変化をつけにくいインテリアだからこそ、ファッションのようにジュエリーを身に着ける感覚で、ちょっとした煌めきを空間に加えてみる。毎日の生活のシーンにそうした心持ちを高めてくれるものがあれば、日常も違った見え方をしてきそうだ。
「以前、仕事の記念に〈ジョージ ジェンセン〉のスターリングシルバー製のゴブレットをひとつ手に入れたんです。1日の締めくくりには、必ずそのゴブレットでワインを飲む。手頃なスパークリングでも銀器を使うと驚くほど味が変わって、まろやかでおいしくなるんですよね。仕事柄、インテリアグッズは数多くストックがありますが、日々自分が使うものは、各ジャンルで何かひとつお気に入りがあればそれでいい。毎日のグラスは、僕にとってはあのゴブレットだけ。気持ちが上がる自分のための贅沢で、それはもう揺らぐことはないですね。それに、絶対に割れないんです。ゴブレットだけではなく、フラワーヴェースやトレイ、すべてが世代を超えてずっと使い続けられるもの。部屋のなかで、自然光を受けてキラキラと光ったり、夜の間接照明ではまた違う輝きを見せてくれたり。空間にライトを灯すように〈ジョージ ジェンセン〉を置いて、この先も日々の暮らしで楽しめたらいいなと思っています」
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Katsuya Kubokawa

窪川勝哉(くぼかわ・かつや)1974年、山梨県生まれ。インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深い。空間プランナーの赤松珠抄子氏に師事し、2002年にインテリアスタイリストとして独立。雑誌やTV等メディアでのスタリングのほか、ウインドウディスプレーやマンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手がける。

Instagram:@katsuyakubokawa
Text: Aiko Ishii

<窪川勝哉さんが選んだジョージ ジェンセン>

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