「私が選ぶジョージ ジェンセンのひと皿」

高山都/モデル・俳優

Miyako Takayama | Home designs from Georg Jensen

食のシーンを丁寧に、豊かに楽しむ大切さ

真っ青なクロスに映える白の器やシルバーに、色とりどりの料理。美味しい食事と、食を楽しむ時間そのものをこよなく愛する高山都さんのテーブルには、季節季節の食材や花々がさりげなく、センス良く並ぶ。優しい光が差し込む食卓からは、今にも明るい会話や笑い声が聞こえてきそうだ。

 

1日のなかでの楽しみというか、コミュニケーションの場としても食のシーンを大切にしているんです。友だちや家族との会話や、季節を感じること。食事って“食べる”だけの行為ではなくて、目から楽しんだり、言葉を交わしたり。そういうこと全てを含めて、食事をとる時間をきちんと楽しむようにしています」と高山さん。

 

北欧の家具に、古い日本のキャビネットなど、和洋が混在するダイニングスペース。少しずつ、好みのものを集めていった空間には、日々欠かすことのない草花や作家ものの器たちなど、そこかしこに高山さんらしさが滲み出ている。

「我が家にあるものは手作業で作られた、ぬくもりのあるものがほとんど。ここもそうですが、以前住んでいたところも年月を経た味わいのある家で、その頃から古い家具だったり、木のプロダクトが自然と増えていきました。ここ10年くらい興味を持って買い集めている器もそうですね。日本の作家さんのものが中心で、家の雰囲気に合うあたたかみのある作品が数多くあります」

 

新しいものを選び取る基準は「手持ちのものに合う」かどうか。

 

「どれほど素敵でも、うちに合うかどうかをまず考えます。大きすぎるとか、華美だったりとか、手持ちのものと上手く組み合わせられないものは選ばないです。お洋服選びと一緒ですね。例えばベルトを合わせてみたり、靴を変えてみたり。そうやって何かひとつ共通項を入れてみるか、つなぐものをプラスすると、一見テイストが違ってもうまくなじんだりするのでそれは意識してやっています。家具にしても器にしても壊れない限り使えるものですから、一度気に入ったものを見つけたら長く大事に使っています」

Miyako Takayama | Home designs from Georg Jensen

白い器とシルバーで華やぐブランチタイムを

10代の頃から料理に興味を持ち、毎日「その時々の季節に応じたもの」を作っていると話す高山さん。ご主人と2人で過ごす週末のブランチには、鮮やかな根菜のグリルや、イチヂクとケールのサラダ、オクラとアサリのジェノヴェーゼなど、彩り豊かな旬のプレートがテーブルを飾った。
 
「普段はもっと簡単なものですが、ちょっと華やいだ気分で食事を楽しんだある日のブランチのメニューです。〈ジョージ ジェンセン〉のベーシックなランチプレートには焼き野菜を。パスタプレートより少し小ぶりで、取り皿にしたり、葉野菜を盛ってみたりといちばん使いやすいサイズ感の1枚。溝に小さな模様が刻まれていて、テーブルに少し抑揚がつくデザインを気に入っています。イチヂクとケールのサラダは、プレートと同じベルナドッテ コレクションのボウルに。このボウルも深さがあるのでスープ皿にもぴったりで、1人のときにはスープランチとかにも使っています。シンプルなだけに、1人用や誰かとご飯を食べる時など、いくつものシーンが想像できるので選びました。白い器に色が映えて、季節の野菜をバランスよくいただきながら目でも楽しいブランチになりました」
 

Miyako Takayama | Home designs from Georg Jensen

テーブルにシルバーの輝きを添えているのは、〈ジョージ ジェンセン〉のステンレススティールのピッチャーとウッドでアクセントを加えた箸と箸置き。曲線が美しいスカイ タンブラーグラスにも、雫のような形をしたワインコースターが合わせてある。
 
「白と青を基調にしながら、そこに差し色のシルバーとウッドで強さと柔らかさを入れてみました。背が低くて丸みを帯びた〈ジョージ ジェンセン〉のグラスは、都会的だけどどこか親しみやすさがある点に惹かれたもの。シルバーのピッチャーやコースターは、テーブルによそゆき感を演出してくれるかなと思って選んでいます。カトラリーもシルバーと木を組み合わせたデザイン。少しモダンな要素が入るだけで、普段の食事が一気に華やいで、高揚感が生まれますよね」

Miyako Takayama | Home designs from Georg Jensen

ファッションを装うようにテーブルを飾る

パスタを盛ったのはフランスの蚤の市で見つけたヴィンテージのお皿。古い和の器に銀彩を施した取り皿やフルーツ皿に、パンを乗せた木のボードもまた、日本の作家が手がけたもの。モダンなジョージ ジェンセンのダイニング コレクションに、趣きあるアイテムが不思議とマッチするのには、高山さんならではの美的感覚が隠されている。

 

「ポーセレンの白い器をスタンダードなホワイトシャツや白いTシャツと例えるなら、そこにシルバーのジュエリーや時計を足していくような感覚です。真っ白でシンプルだからこそ、アクセントを効かせて、どうやったらバランスが良くなるかを試してみるんです。お洋服を決めて鏡を見たとき、もうちょっとこうした方が素敵に見えるかなとか、いろいろとやってみますよね。その足し引きが、私にとってのテーブルスタイリング。ファッションと同じように、全体を確かめながら調整しています。余白を埋めるためにはどうしようとか、お皿をただ並べるだけでは平面的なので、どうすれば立体感が出せるかなとか。一枚の白いTシャツをどうおしゃれに着こなすか、頭で考えずに、ファッションのように感覚でコーディネートしているんだと思います」


深い青のテーブルクロスを選んだのも「透明度の高い白い器を引き立たせつつ、ぬくもりある雰囲気にしたかった」から。それぞれの料理に合わせた器選びもまた、1枚の服をT.P.O.に合わせてどう着るか、ファッションを装うように決めていくそう。上手にまとめるコツは、「よく見てみる」こと。

 

「お洋服を着たら、必ず鏡でチェックしますよね。それと同じで、ちょっと全体を引いてみたり、近くに寄ったりすると、どこが足りないなとかが見えてくるんです。大切にしているのは、余白や色合わせ、質感のバランス。ちょうどキャンバスに絵を描くみたいなイメージに近いのかもしれません」

Miyako Takayama | Home designs from Georg Jensen

特に気に入っていると話すピッチャーは、時には花々を生けることも。

 

「保温性があるので暖かいものでも冷たいものでも、季節によって使い分けができるし、お客さまが来たときにお水を出すのもこのピッチャーなら華やぎますよね。テーブルのなかでいいアクセントになるんです。四季折々を楽しめるので部屋にはいつもお花を飾っていて、花瓶としても活躍しています」

 

モダンな白い器や柔らかなタンブラーグラス、テーブルに輝きをプラスするシルバーの数々。ジョージ ジェンセンのダイニング コレクションは、高山さんの食卓をこの先どう彩っていくのだろうか。

 

「シンプルな美しさがあるので、使い方も広がるだろうなと感じています。手持ちのものにもう少しプラスして、和食のテーブルセッティングで使ってみるのも面白いかな。どういう風に合わせるのがいいのか、これから時間をかけて知っていきたいなと思っています。まずは、気分のいい晴れた日のブランチに。気持ちをあげてくれる、とっておきとして愛用していきたいです」

Miyako Takayama

高山都(たかやま・みやこ)1982 年生まれ。

モデル、俳優、ラジオパーソナリティ、商品のディレクションなど幅広く活動し、丁寧な生き方を発信するInstagram@miyare38)も人気を集める。

趣味は料理とランニング、器集め、旅行。著書高山都の美食姿』(双葉社刊)シリーズ14が好評発売中。

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