キャンドルスティック 855B - シグヴァルド ベルナドッテによるデザイン

上に向かいまっすぐに伸びるキャンドルスティック 855Bは、確固たる誇りを感じさせます。装飾を縦に流れるラインと溝彫りだけに抑えたベルナドッテは、ジョージ ジェンセンとコラボレーションしたデザイナーの中で初めてモダンなスタイルを取り入れた一人として知られています。ネオクラシックな雰囲気が、キャンドルスティックの柱状の厳密な形とアンティークなテイストが加わることで伝わってきます。

キャンドルスティックの軸部は筒状になっており、引き抜き用鉄板と呼ばれるツールで引っ張られる事で表面に線が出来ます。銀細工師は、4つのパーツを組み合わせてベースを作ります。この時、繋ぎ目を滑らかにするために丁寧に磨いていきます。キャンドルスティック作りにおいての難点のひとつが、ベースと軸部の接合部の処理です。これに狂いが生じると2つのパーツの微妙な高さや大きさのズレが発生して軸が傾き、火を灯した時にロウソクのロウが垂れてしまいます。

他のホロウェアとは違って、キャンドルスティックのパーツひとつひとつは、繋ぎ合わせる前に磨かれます。それは先端のシャープさが決め手であるこのデザインにおいて、組み立てられてから研磨機にかけることで鋭さが失われてしまうからです。